コンクリート圧送の「圧送（あっそう）」とは、コンクリートポンプを使用し油圧や機械的圧力によって圧力をかけ強制的にコンクリートを流すことをいいます。建築現場や土木現場では、コンクリートミキサー車によって、生コンクリートを所定の型枠内に注入する（打込む）ことを指します。

このコンクリートポンプ圧送方法の歴史は古く、1907 年にドイツで発明されたといわれており、日本では1964 年の東京オリンピック以降の高度経済成長期に、それまでのタワーカート工法に代わって、打設・作業性・省力化を大幅に改善できる工法としてコンクリート圧送法が普及し、現在に至っています。

また、生コンクリートは品質が変わりやすいため、圧送には豊富な経験と高度な技術が求められます。よって、コンクリート圧送に携わるにはコンクリートポンプ車の操作に必要な「車両系建設機械（コンクリート打設用）の作業装置の操作の業務かかわる特別教育」を終了することが義務付けられています。

昨今、建築物の高層化・長大化が顕著に見られるうえに、より耐震性・耐久性を追求するコンクリートの高性能化が進み、コンクリート構造物の施行を行う私たちコンクリート圧送業の役割は、ますます重要性を増していくといえます。